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High Tech & Low Life

アイダカズキの(主に小説用)ブログです

幕間・獣の肌

――隣室からはベッドの激しくきしむ音と、低く唸る獣にも似た男女の営みの声が漏れ聞こえてくる。全身を黒の装いで統一した男は顔色を変えることなく、ソファに腰かけて待ち続けた。 やがて隣室とのドアが開き、下着姿の女が転げ出てきた。泣き腫らした目のま…

幕間・新しい街で生きるということ

そもそもお前は、とハンドルを握りながら崇は口を開いた。「どうしてこの街に来たんだ?その何某さんとやらの死の原因がここにあると、どうやって突き止めた?」 「17年前からの逆算」それだけ言うのに、少し時間がかかった。「沖縄で戦術核を用いたテロが発…

幕間・死よ、分け隔てなく在れ

指先から、息絶える直前の痙攣が伝わってきた。 痙攣が完全に止まるまで待ち、慎重に指を動かした。肉の中に深々と埋まっていたとはまるで感じさせない容易さで「針」が耳孔から引き抜かれる。先端に小粒の宝石を思わせる血の滴が一滴膨れ上がっていたが、慎…